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2024.08.20 トランクルーム

私が歌舞伎役者をやっていた時、「ホテル暮らし」+「トランクルーム」がとても快適だったという話


私が以前、歌舞伎の役者をやっていた時のお話です。

普段は東京の歌舞伎座か国立劇場に出演することが多いのですが、年に数回、京都・大阪・名古屋・博多などの大都市の劇場で行われる地方公演に出演することがありました。

1ヶ月から2ヶ月程度の間、京都→大阪と連続すれば数ヶ月の間自宅に戻ることはできません。

もちろんホテルは用意されるのですが、自宅とホテルとの二重生活が続くわけです。

数日程度の旅行ならともかく、1ヶ月以上も滞在するとなると、これはちょっとした引越しレベル。

旅行に持っていく「トラベルグッズ」ではなく、「生活用品」を揃えておくことが必要となります。

ただそうすると困ることが一つ。

「私物の置き場がない」のです。

主役級でもない私たちの部屋はそれほど広いわけではなく、ホテルですから収納スペースも限られています。

部屋の中に置いておけば足の踏み場もない状態となってしまい、とても1ヶ月以上快適には過ごせません。

といって私物を楽屋に置いておくわけにもいかず、ほとほと困ってしまいました。

そんな時活用したのがトランクルームです。

必要だけど使用頻度の低いものをトランクルームに預けることで、ホテルの部屋を快適に、広々と使うことができるようになりました。

今回はそんな私の「賢くトランクルームを利用する方法」を紹介します。単身赴任の方にも参考になるはずです。

2ヶ月以上滞在するので、様々なものが必要となる

ホテルに2ヶ月も滞在するとなると、ホテルが完全に「生活の場」となります。

そのため普段自宅で使用していたものが手元にないと、日常生活に支障をきたすようになってしまうのです。

私の場合は仕事や趣味で使うPCや周辺機器、着物などがそれに当たります。

プリンター

プリンター

使用頻度はそれほど高くないのですが、公演中に次の月のお稽古が始まると、三味線の譜(楽譜)や踊りの譜(踊りの手順を手書きで記したもの)、過去の舞台写真などをプリントアウトする必要が出てきます。

歌舞伎役者にもプリンターは必需品なのです。

スキャナー・裁断機

私は紙の書籍や書類などをスキャナーでデジタル化する「自炊」推進派です。

普段読んでいる雑誌、出版社から送られてくる歌舞伎関係の書籍、小説、書類関係、FAX・・・etc。

紙のままだと場所を取り重いので、そのほとんどを裁断機で背表紙を取った後にスキャニングします。

その後はタブレットで閲覧でき、役者仲間に見せるときも、楽屋にタブレットを携帯するだけなので快適です。

カメラ機材

舞台写真などはもちろんプロのカメラマンに撮っていただくのですが、楽屋での日常的なスナップ、自分の記録のための衣装や、鬘、小道具などの写真を取るようにしています。

元々カメラ好きなので、一眼レフ、三脚、ストロボ、簡単なレフ板など、一式全てだと結構な機材の量になります。

私物の着物

公演中もお客様に食事に誘っていただいたり、後援会の方々への挨拶など、着物を来て出かける機会がありました。

もちろん衣装などは劇場の衣装部屋にあるのですが、私物の着物はそういうわけにはいきません。

ホテルのクローゼットは洋服を収納することを想定しているので、着物の収納にはとても困るのです。


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自宅から郵送すると時間がかかる

始めのうちは必要になると、自宅から妻に宅急便で送ってもらい、終わればまた返送していました。

しかし、いちいち送ってもらうには時間も手間もかかりますし、急に必要になった時などには対応できません。

また月に何度も利用するので郵送費用もかさみます。

送ってもらっても収納しておく場所がない

自宅から送ってもらったものをすぐにまた送り返せば良いのですが、「またすぐ使うから」と考え、そのままホテルの部屋に置いておくことが増えてきます。

すると、元々狭い部屋が、あっという間にモノで溢れかえります。

特に裁断機は80cm×60cmと大きいので、ホテルの部屋に置いておくと存在感が絶大。

また着物も帖紙(たとうし)に入れ桐の衣装箱に入れて平置きするので面積を取ります。

シンプルにモノのない生活ができるのでホテル住まいが好きなのですが、そんな理想とはかけ離れた生活になってしまいます。

スーツケース

短期間の契約もOK

地方公演での滞在は長くても2~3ヶ月、ほとんどの場合は1ヶ月です。

その点トランクルームの契約は1ヶ月という短期間に対応しているので、気軽に利用することができます。

大都市圏であればトランクルームは増えている

歌舞伎の地方公演で長期滞在するのは大阪、京都、名古屋、博多などの大都市です。

家賃が高く狭い、収納スペースが少ないという大都市圏の悩みを解消するために、トランクルームは都心部を中心として増えており、劇場があるような場所であれば簡単に見つけることができます。

また大抵ホテルと劇場の間にあるので、使い勝手も抜群です。

荷物をほとんどトランクルームに収納することでホテルの部屋がスッキリ

上にあげたようなモノはもちろん、今までは衣装ケースやトランクに詰めて部屋の隅に置いていたものまでトランクルームに収納できるので、ホテルの部屋がスッキリします。

シンプルなホテル生活が好きな私にとっては理想的な環境を整えることができます。

セキュリティ面も安心

カメラの機材やPCの周辺機器などはそれなりの価格がするので盗難等が心配です。

しかし私が利用していたトランクルームはオフィスビルのワンフロアを利用したもので、スタッフも常駐するのでセキュリティ面でも不安はありません。

高価なものでも安心して収納しておくことができました。

空調管理がしっかりしているので私物の着物も安心

着物の場合、湿気によるカビや虫食いなどが心配になります。

その点私の利用していたトランクルームは空調がしっかりしていて、温度、湿度のコントロールが完璧でした。

お客様と会う時用の着物ですから「ちょっと良いもの」なのですが、保管環境に全く問題はありませんでした。

他の役者とシェアすれば利用料も格安に

私が「トランクルームを使うと快適ですよ」と他の役者仲間に話すと、「じゃあ私も利用してみようかな」という人が何人も現れました。

そこでトランクルームのスペースを数名でシェアして利用することに。

利用料を折半できるので、格安で利用することができるようになりました。

自宅の荷物が減って妻もニッコリ

地方公演の時にトランクルームに収納しているものは、東京に戻ってきた時もトランクルームを借りて収納しておくことにしました。

すると自宅の収納スペースに余裕ができ、私の持ち物の多さに呆れていた妻も喜んでいます。

私の場合は「歌舞伎役者の地方公演」という特殊なケースですが、長期出張や単身赴任のビジネスマンの方でもほぼ同じ悩みを抱えている方がいらっしゃると思います。

そのような方もトランクルームを活用すれば、少ないコストで快適な生活環境を築くことができます。

この記事がそんな方の参考になれば幸いです。

文:友三郎(40代・元歌舞伎役者、現ファイナンシャルプランナー)

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